見積書、設計図書の仕組みと見分け方のポイント_3


過去2回に引き続きの内容になります。

はじめての方はその1から確認してみてください。


今回は諸経費について書きますが、ちょっと細かい内容になりますのでもっと細部まで確認したい方や見積もり(設計)に興味のある方にお読みいただければと思います。

なのでタイトルに反しているかもしれません。

「覚えておくべき」というタイトルになっていますが、厳密には「覚えておくと良い」という内容になります。

◇◇ もくじ ◇◇ 

■諸経費とは
■諸経費は会社によって算出方法も中身も違う
■施主も業者も諸経費の中身はチェック
■工事で使う電気や水道も
■諸経費の話まとめ



過去2回の記事の中で見積書(積算内訳書)の内訳の表示は会社によってバラバラですよ。という解説をしました。

更に突っ込んだ内容として諸経費とはどういった経費が含まれているかですが、こちらも1回目の内容で書きましたが、「基準はあるけど決まりは無い」という状況です。

どういうことかというと目安としている基準はありますが、法律などでこうしないとダメ!みたいなものがありません。

本来的に直接工事にかかるもの以外で付帯的にかかる経費をまとめて諸経費といっているのですが、一定の考え方はあります。

具体的には、現場の管理に必要な事務や手続き費用や保険などの現場管理費や広告宣伝費や自動車や雑費などにかかる一般管理費といった経費のことをまとめて諸経費といっています。

ただこれだけでなく、会社ごとの都合で諸経費の定義や内容が違っていたりしますので、これがややこしい原因になっています。

(ちょっと専門的になりますが、住宅のほかに公共事業もやるような業者さんだと諸経費の中に共通仮設費といわれる経費を用いることもあります。)
積算資料
参考までに見積り(積算で)は、このような市販の積算資料を使うこともあります。




具体的には先ほどいったような経費を諸経費として計上するのですが、実際には会社によって算出額も方法も中身も違います。

なので、見積もりを貰った際に「どんな経費が含まれていますか」と聞くと曖昧になることが多かったり、実際に費用としてかからない経費分も含まれていることになります。

なぜこういった費用としてかからない経費分も諸経費として計上されているのかというと例えば諸経費は率(割合)を掛け算して出す場合がほとんどだからです。

つまり、どんな経費がかかるとかかからないではなく率(割合)分は代金としてかかりますよということになります。
これもルール的にダメなものではくそういうものだと思ってもらう方がいいのかと思います。

例えば100万円の工事で諸経費が10%ならば110万円の工事価格なる場合や100万円の工事で諸経費ならば7%で107万円になるといった具合に価格差が出ます。



諸経費は率(割合)で出す場合のほか対象となる現場に個別のものに応じて積み上げで計上する場合もあります。

例えば道路の交通量が特に多い場所の場合の誘導員や駐車場の経費、遠隔地扱いの現場の交通費、出張費用などが考えられます。

そのほかには、雪の多い地域では除雪なども考えられます。

業者さんによって駐車場などは施主側で用意してください!なんてこともありますが、事前に伝え忘れておいて、いきなり施主側にお願いされてもなかなか厳しい話になります。

そういったものを双方でしっかり確認しておくとお互いに気持ちよくやりとりが運ぶと思います。
積算資料_リ��ォーム
これも市販の積算資料です。



具体例として工事で使う電気や水道についても諸経費に含まれる場合とそうでない場合があります。

そのほか別途計上されているケースもあります。

含まれていないのであればどうするのかを確認する必要があります。

まれに勝手に別のトイレや水道を利用して不快な思いをさせたりクレーム案件になる事例があります。

もはやこのあたりは業者さんのモラルの問題でもありますが・・



こんなに色々と細々としたことまで確認できるわけない!という方もいると思います。

というかそれが普通だと思います。

だからこそ少しでも「聞いてないよー!」といった料金トラブルを減らせるといいなと思ってこの話題に触れています。

こういった確認不足に起因するような料金は施主さんの方が負担させられると痛いです。

それだけに施主も可能な限り確認すべきですし、もちろん業者さんも料金をとるならしっかり説明をして納得して施主に負担してもらうべきだと思います。


ということで3回にわたって見積もりの見方とポイントを説明してみました。

最後までお読みいただきありがとうございます。



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