近年、毎年のように数十年に一度というレベルの自然災害に当たり前のように見舞われてしまうようになりました。
こういったこともあり最近では住宅業界にも「レジリエンス」という言葉が急速に浸透していて商品化までされているので、かなり関心が高まっているのだと思います。
そこでちょっと住宅のレジリエンスについて遠回りに触れてみたいと思います。
住宅におけるレジリエンスとは、簡単にいうと災害に備えた、災害に耐性機能をもった住宅のことと思っていただければいいかと思います。
具体的には、災害時に電気、水道などのライフラインが途絶えた時に太陽光発電や蓄電池などで自立的に電気を確保したり、自家用のタンクなどで水を確保したりすることで、災害時に自律的に過ごせるような機能を備えた住宅をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
特に最近では、住宅に求めるものも多様化されていてデザインや性能だけでなくこういったレジリエンスという考え方が広がり各社で商品化されています。
使い方ととしてレジリエンス住宅とか住宅のレジリエンス化とか色々な表現のしかたがあります。
建築物やインフラなどでレジリエンスという表現があれば前述した説明をむずびつけてイメージしていただければOKだと思います。
なにをもってレジリエンスというのか・・。
今のところ耐震性などと違ってレジリエンスにアレとコレを備えればレジリエンスです。みたいな法制化されているような厳格な基準はありません。
それだけにそれぞれに自分の考えに基づいて太陽光を付けたり、蓄電池を備えたりすることでレジリエンス住宅と言うことも出来きます。
それを良い方に解釈すれば自分なりに対策することでレジリエンス住宅に相応する家づくりをすることも可能ということなのかもしれません。
ちょっと話はそれるのですが、レジリエンスということを考慮した場合に浸水想定区域になっているような地域に家を建てる場合を想定してみます。
今回の熊本の大雨や最近の災害で記憶に新しいところで鬼怒川の氾濫などで考えてみると、2階建によって助かった命や財産がある状況も垣間見れます。
これは最近のニュースの切り抜きです。


2階があったことによって逃げることが出来たということです。
そしてこちらはヘーベルハウスの家ですが、流されない強固な家であることは言うまでもなのですが、2階建であったことから非難を待つことができた状況です。

こういった状況を見ると、2階建てや2階にリビングを置くことには(デザインや使い勝手の話から切り離した場合には)避難先の確保やライフラインの維持などが多少なりとも実現できるためレジリエンスでもあるともいえるのではと考えられます。
(平屋か2階建てかみたいな「是非を書いているのではない」ことに注意です!)
大雨でなくても雪深い積雪寒冷地などでは人の出入りや居室の機能を維持するためにあらかじめ家の基礎を高く設けておく地域もありますが、これもあらかじめ積雪を想定したレジリエンス化であるように思います。
特別警報とは今までの警報より差し迫った状況に発令されますが、これって実はかなりの意味を含むものなのをご存知でしょうか。
今までは災害と言えば避難所や避難の指示を自治体や気象庁が出していましたが、行政では限界がある最近の自然災害では、(誰かの言葉を借りた言い方をすれば)この特別警報が発令された場合、極端な言い方ですが「もはや行政では限界なので自分の命は自分で守ってね」という意味であると思って頂いても過言ではありません。
もちろん行政はそんなことは言いませんし可能な限り対応はしてくれると思いますが、対応を期待したり責任を行政に転嫁できない状況になったと解釈できます。

この垂直避難についても、先ほどの2階建てだったり、近くに高台や高い建物がある場合に実現します。
自主避難や自主防災という「自主」ということも強調されています。
今回は100万人を超える人達に避難指示などなんらかの合図がでましたが、とても避難所で受け入れられる規模ではありませんので、やはりレジリエンスという意味では2階建てや2階リビングという考えは無茶ではない考えなのかなと思います。
こんな感じで自分なりに最近よく聞くレジリエンスについて考えてみました。
家を建てる土地の条件などによっては2階建や2階リビングにするだけでもレジリエンスなのではないかと考えられます。
厳密にどうなのかという結論は出せませんが、個人的には毎年大雨などの自然災害が発生する度に家づくりに重視するものは何なのかということを考える機会となっています。
デザインや使い勝手や性能など快適に過ごすための空間として家づくりには色々な事情や嗜好があっていいと思います。
何を重視するか、何を求めるのかはそれぞれです。
また、最近ではすっかり浸透して当たり前になっている耐震性など家の強度の話もまだここ数十年の話ですが、これもまたレジリエンスの一種だと思います。
これもユーザーの求めるものとして徐々に当たり前になってきた感じがあります。
今回のレジリエンスという言葉や考え方もこれからのものだとは思いますが、これから家づくりという方にいい方向に伝わればよいと思っています。
では、では、良い家づくりを。
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