投稿:20180917 → 更新:20190629
前回に引き続き自身の建築記録を備忘録として書きたいと思います。
前回は、基礎工事の前段となる根伐り~地業の工程について書いていますので、まだの方はこちらからどうぞ。
今回は、基礎工事の要となる配筋の工程についてです。
配筋とは、基礎コンクリートを打設する前に鉄筋を縦横決まったスパン(間隔)で配置しておくことです。
配筋の役割としては、
1)引張応力(引っ張られる力)の負担
2)圧縮応力(押される力)の負担
3)せん断力(ねじれる力)の負担
4)コンクリートと鉄筋が相互に保護しあう役割
こんな感じだと思います。
半分記憶と思い付きで書いていますので、間違っていたらごめんなさい。
とにかく目に見えない部分だけど、かなり重要な部分なのです。
それでは、我が家の基礎配筋の全景です。

まぁ、まぁ、こんな感じで、個人的にはまずまずの施工であると納得していますが、ところどころ気になる点があるので記録方々残しておくことにします。
ちなみに前回の記事に書いた土工の業者さんが配筋の工程も担当しています。
冬の足場の悪い中で施工していますので、スタイロに付いた泥汚れが気になりますが、構造的には影響ないのでこの部分についてはキレイに施工されることに越したことはありませんが、どうにもならない部分として特になにもしていません。
気になったのが、この配筋の工程について自分(建築士です。)で自主検査するのに必要な図面をタマホームに請求したのですが、そもそも必要最低限だけというか詳細な特記事項のあるものを持っていないようなんですね。
標準図や標準仕様としてまとめられている標準的なものはあります。
仕方なくわかる範囲で仕様どおりにできているか確認することはできましたが、あくまでそれ以上の詳細な確認は難しいのかもという程度ですが・・・。
なのであえてこの場で気になる点をハッキリ書いておきます。
恐らくタマホームは、契約や確認申請などの諸手続きに必要な図面などは作成してあるようですが、家ごとの詳細な図面は最低限しか作成していないと思われます。
まぁ、これはよしとします。
ただこれって、言い方を変えると工事監理費用が契約に入っている状況であるにもかかわらずタマホーム側の工事監理担当(建築士)もまともな監理がしたくても出来ないということを自ら証明しているようなものかであると言われても仕方がないかもしれません。
図面が無かったり図示されていないのにどうやって監理、照査(チェック)するのでしょうってことになると思います。
※「監理」とは、設計どおりに施工されているか確認する作業で、この作業で料金を取ることができるのは法律で決められていて、建築士だけの業務です。
こんな感じのグレーなネタは以前にも書いていますので参考にどうぞ。
どちらも4年前の話なので、改善されていたら単なる過去の事例ということで参考にしてください。
この気になる点については、違法であるとかそういう話ではないのですが、基礎工事に限らずこれがきっかけで施工のミスや施主が「こんな感じにつくりたい」といった意向が伝わらない原因になりやすいと思います。
なので自分なりに色々なメーカーや工務店などの状況について調べてみましたのですが、結構色々な状況があって、メーカーのグレードや工務店とか関係なくかなり会社ごとに差があることがわかりました。
手厚く図面や仕様書などの設計図書を作成しているところもあれば、必要最低限でまともに修正がないメーカーまで様々でした。
結果わかったことは、良い意味でタマホームはそれなりだったということです。
むしろ払った料金から考えたら十分かも・・・
とはいうことで、いくつかの気になる点はありながらも、全体的には良好な施工だったと思います。

参考までにこれは、タマホームの矩計図(かなばかりず)という建物を横から切った断面図の標準的な仕様を書いた標準図というものです。
自身の自主検査で指摘させていただいた点のほとんどが、配筋の間隔、ピンコロ(スペーサー)の沈み込み程度(数か所)でした。
・定着(鉄筋を重ねる長さのことです。)
・結束(鉄筋を鉄線でまとめる作業のことです。)
・配管まわりの補強筋(より強くしておく部分に補強する鉄筋のことです。)
などもしっかりと施工されていました。
気になる方は職人さんや工務さんに聞いてみてください。
これは悪い例です。

図面では150mm間隔で配筋する内容になっていますが、それ以上に間隔が開いています。
これは、修正してもらいました。
また唯一、指摘したなかで微妙な感じになったのが、ここの部分。

どこが微妙な感じ(問題?)なのかわかりますか。
個人的には、下の写真の赤線で書いたように人通口(人が点検などで床下を潜って通り抜けられるようにするための開口部分のこと)まわりの補強筋が必要と思うのですが、機構(住宅金融支援機構)の基準ではなくてもいいということで、唯一この部分だけ補強筋がありませんでした。
このあたりの判断も、標準図では、特記事項がなく「開口部は全て補強する」と解釈すべき内容しか書いていないので補強筋を入れるべきだと思いますが、根拠となる図面が無いので強く言えない・・・
丁寧にお願いして入れてもらいました。

参考になるかわかりませんが、以上が我が家の配筋の状況とチェックポイントでした。
もし、不明な点とか疑問な点があればメッセージやツイッターDMで、個人的な意見くらいはアドバイスできるかもしれませんので、何かあればお気軽にどうぞ。
では、よい家づくりを。
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前回は、基礎工事の前段となる根伐り~地業の工程について書いていますので、まだの方はこちらからどうぞ。
今回は、基礎工事の要となる配筋の工程についてです。
配筋とは、基礎コンクリートを打設する前に鉄筋を縦横決まったスパン(間隔)で配置しておくことです。
配筋の役割としては、
1)引張応力(引っ張られる力)の負担
2)圧縮応力(押される力)の負担
3)せん断力(ねじれる力)の負担
4)コンクリートと鉄筋が相互に保護しあう役割
こんな感じだと思います。
半分記憶と思い付きで書いていますので、間違っていたらごめんなさい。
とにかく目に見えない部分だけど、かなり重要な部分なのです。
それでは、我が家の基礎配筋の全景です。

まぁ、まぁ、こんな感じで、個人的にはまずまずの施工であると納得していますが、ところどころ気になる点があるので記録方々残しておくことにします。
ちなみに前回の記事に書いた土工の業者さんが配筋の工程も担当しています。
冬の足場の悪い中で施工していますので、スタイロに付いた泥汚れが気になりますが、構造的には影響ないのでこの部分についてはキレイに施工されることに越したことはありませんが、どうにもならない部分として特になにもしていません。
気になったのが、この配筋の工程について自分(建築士です。)で自主検査するのに必要な図面をタマホームに請求したのですが、そもそも必要最低限だけというか詳細な特記事項のあるものを持っていないようなんですね。
標準図や標準仕様としてまとめられている標準的なものはあります。
仕方なくわかる範囲で仕様どおりにできているか確認することはできましたが、あくまでそれ以上の詳細な確認は難しいのかもという程度ですが・・・。
なのであえてこの場で気になる点をハッキリ書いておきます。
恐らくタマホームは、契約や確認申請などの諸手続きに必要な図面などは作成してあるようですが、家ごとの詳細な図面は最低限しか作成していないと思われます。
まぁ、これはよしとします。
ただこれって、言い方を変えると工事監理費用が契約に入っている状況であるにもかかわらずタマホーム側の工事監理担当(建築士)もまともな監理がしたくても出来ないということを自ら証明しているようなものかであると言われても仕方がないかもしれません。
図面が無かったり図示されていないのにどうやって監理、照査(チェック)するのでしょうってことになると思います。
※「監理」とは、設計どおりに施工されているか確認する作業で、この作業で料金を取ることができるのは法律で決められていて、建築士だけの業務です。
こんな感じのグレーなネタは以前にも書いていますので参考にどうぞ。
どちらも4年前の話なので、改善されていたら単なる過去の事例ということで参考にしてください。
この気になる点については、違法であるとかそういう話ではないのですが、基礎工事に限らずこれがきっかけで施工のミスや施主が「こんな感じにつくりたい」といった意向が伝わらない原因になりやすいと思います。
なので自分なりに色々なメーカーや工務店などの状況について調べてみましたのですが、結構色々な状況があって、メーカーのグレードや工務店とか関係なくかなり会社ごとに差があることがわかりました。
手厚く図面や仕様書などの設計図書を作成しているところもあれば、必要最低限でまともに修正がないメーカーまで様々でした。
結果わかったことは、良い意味でタマホームはそれなりだったということです。
むしろ払った料金から考えたら十分かも・・・
とはいうことで、いくつかの気になる点はありながらも、全体的には良好な施工だったと思います。

参考までにこれは、タマホームの矩計図(かなばかりず)という建物を横から切った断面図の標準的な仕様を書いた標準図というものです。
自身の自主検査で指摘させていただいた点のほとんどが、配筋の間隔、ピンコロ(スペーサー)の沈み込み程度(数か所)でした。
・定着(鉄筋を重ねる長さのことです。)
・結束(鉄筋を鉄線でまとめる作業のことです。)
・配管まわりの補強筋(より強くしておく部分に補強する鉄筋のことです。)
などもしっかりと施工されていました。
気になる方は職人さんや工務さんに聞いてみてください。
これは悪い例です。

図面では150mm間隔で配筋する内容になっていますが、それ以上に間隔が開いています。
これは、修正してもらいました。
また唯一、指摘したなかで微妙な感じになったのが、ここの部分。

どこが微妙な感じ(問題?)なのかわかりますか。
個人的には、下の写真の赤線で書いたように人通口(人が点検などで床下を潜って通り抜けられるようにするための開口部分のこと)まわりの補強筋が必要と思うのですが、機構(住宅金融支援機構)の基準ではなくてもいいということで、唯一この部分だけ補強筋がありませんでした。
このあたりの判断も、標準図では、特記事項がなく「開口部は全て補強する」と解釈すべき内容しか書いていないので補強筋を入れるべきだと思いますが、根拠となる図面が無いので強く言えない・・・
丁寧にお願いして入れてもらいました。

参考になるかわかりませんが、以上が我が家の配筋の状況とチェックポイントでした。
もし、不明な点とか疑問な点があればメッセージやツイッターDMで、個人的な意見くらいはアドバイスできるかもしれませんので、何かあればお気軽にどうぞ。
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