2018年9月10日投稿 → 2019年9月15日更新

災害に強い家づくり & マイホームのための豆知識-直下率

直下率って聞いたことありますか?

ちょっと難しそうに聞こえますが、家の間取り検討の際に重要な役割を果たす部分にもなるので、なんとなくでも伝わるように簡単に解説してみたいと思います。

前回のこのシリーズの記事はこちらからどうぞ。


◇◇ もくじ ◇◇ 

■直下率とは
■耐震等級などの住宅性能
■どのように差があるのか
■間取りを考える際のポイント
■まとめ



意外と直下率(ちょっかりつ)という言葉は、大きな地震災害が起こると都度話題になっている印象です。

直下率は、複数階の建物で壁と壁が上下階で重なる部分の比率のことですが、これが家の強度に大きく影響します。
直下率
テレビなどでもよく解説されている場面を見かけます。
c2


では、耐震等級って聞いたことありますか?

ちなみに、どのメーカーでも耐震等級〇(以上)と謳っていると思いますので、あとで確認してみてください。

例えばタマホームでも謳っています。
t1


どのメーカーでも掲げている等級などついては、そのメーカーの一般的な間取りルールの範囲内であれば基準をクリアになるようにパッケージされていると思います。(または、補強費用などは追加費用などとする場合もある)


耐震等級〇以上と謳って条件をクリアしていても、「以上」ですから、その家ごとに許容応力度(家が揺れなどの力に耐える力)に差があって、その性能に大きく差がある場合もあるという話をしたいと思います。




わかりやすく説明すると、仮の基準数値として1.0という強度性能をクリアするという条件があったとしましょう。

この場合、数値が1.0を超えれば条件クリアですから、とある家は1.5でもOKですし、2.0でもOKです。

しかし、1.0と2.0では、その差は2倍の違いですね。

単純に言うとこんな感じです。

では、どういった部分で差がでるのかを簡単に説明します。

例えば、柱、壁の直下率やつり合いの比率が低い家は、基準はクリアしていても比率の高い家より許容応力度が低いことになります。

c1

平面的に上から見た場合の直下率が低い状態とはこんな感じです。
直下率-2

直下率・・・1階部分の柱や壁の上に2階部分の柱や壁がどの程度乗っているかを示す比率

つり合い・・・各階の壁の量とそのバランスがどのくらいとれているかを示す比率




そこで、間取り検討の際にこんなことを意識しておくと、同じ自由設計で間取りを考えた時、より頑丈な家になる可能性が高まるポイントを解説します。

なお、一般住宅として一番採用されているであろう木造在来工法に限定した話になります。

また、基本的にはハウスメーカー(工務店)などの設計担当者が検討すべきことになるので、あくまでデザインに悩んだり決定の選択肢として参考にする程度でOKだと思います。


間取りを検討する際には、以下の点を意識してください。

・建物の角部分(入隅、出隅)部分は、壁になるようにする。
 →なるべく端部に窓などの開口部を設けない。

・1階と2階の上下の壁の位置がなるべく同じになるようにする。

・xy方向の壁の量(面積)が同じになるようにする。
 →壁に対する窓(開口部)の位置と量(面積)に注意にする。

・なるべく壁は多いほうが良い。

これらを考慮して究極の直下率とバランスを持ち合わせた間取りの例は?となると結局のところこうなります…(笑)
直下率 - コピー
しかしながら、これではデザインの面からまったく面白味のない家になってしまいまいます。

しかし、オシャレと構造的に強い家はなかなか両立するのが難しく、むしろ逆相関の関係といってもいいくらいの関係性になります。



このあたりの確認は、間取り作成の際にメーカーさんが数字を示して、確認を入れてくれると思います。

例えばデザインで窓の位置などに迷ったら、直下率などを天秤にかけて間取りを決定するのもいいかもしれませんね。

よく、災害とかで壊れなかった家をメーカーの差で評価している場面もありますが、間取りなども影響していると個人的には思っています。


この程度の注意をしておくだけでも大きく性能に差がでるはずです。

災害に強い家づくりの参考になれば幸いです。



では、よい家づくりを。



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