隣地境界トラブル ブロック塀


隣地との境界にトラブルなくブロック塀などをつくるポイントと考え方について解説します。

◇◇ もくじ ◇◇ 

■確認しておくべき土地(敷地)の前提
■ブロック塀をつくる時に考慮すること(その1:隣地境界線の確認)
■ブロック塀をつくる時に考慮すること(その2:業者選び)
■ブロック塀をつくる時に考慮すること(その3:隣地境界線の使い方)
■トラブルなくブロック塀などをつくるポイントと考え方まとめ



隣地との境界にブロック塀などの工作物をつくる際には色々注意しておくべきことがあります。

ただ、この注意しておくべきことについては、その家ごとに全然変わってきます。

例えば新規の分譲地によってあらかじめ境界が確定されていてブロック塀などの築造のために基礎が打たれている場合などについては、ほとんど心配することは無い可能性が高い場合が多いです。

「境界が確定する」とは、土地の境界などが地権者の同意を経て決定されている状態、またはそのための行為と考えてください。

それとは反対に国土調査や区画整理事業などが行われていないような土地で境界がはっきりと決まっていない住宅地などで新規にブロック塀をつくろうとする場合には、まず隣地との境界線の確認や隣地の所有者(地権者)と立ち合いなどの作業が必須になってきます。

「国土調査事業」や「区画整理事業」とは、官公庁などが法律に基づいて一定の手続きを経て地積(土地の面積)や筆界(土地の境界)などを決める強力な法律行為で、高い精度で広域的に測量などの調査が行われるので土地の面積や境界など現況と公図、登記事項となどが高精度に備わるようになります。

ただこういった確認作業も法的に強制されたものではないのですが、実際には必須ともいえる場合もある確認作業ですので省略した場合には、あとあとややこしいトラブルになる可能性が高まります。

なので今回の記事では、やるべきこと確認しておくべきことについて話を進めていきます。



前述しましたが、土地が測量されて明確に区画され、それに基づいて境界杭などが設置されている場合についてはほとんど問題になることはないと思います。

一方で国土調査事業や区画整理事業が行われていないような地域で古い町並みのあるような場所では慢性的に隣地境界に関するトラブルが起こっていたり、その可能性を秘めている場合あります。

そういった国土調査事業や区画整理事業やそれに準じた調査などの事業が行われていない地域ではの法務局に備えられたこういった公図(厳密には公図ではない)なども現況と異なり全然参考にならないケースが多いです。
公図

なので、土地がどういった成果になっているのかは、法務局に備えられた登記事項証明書のほか市区町村、現地の方に確認しながら境界を確認しておく必要がありますが、個人で調査するには難易度が高いので、工事をお願いする業者さんや土地家屋調査士などの専門家に確認してみましょう。

もちろん家づくり際に土地選びから始めた方はこういった部分の説明や書類の受け渡しを済ませていると思います。

なのでそれ以外の方向けの話ということで参考にしてください。

この話の詳細については、家づくりに必要な土地選びの話と併せて別の機会でしていきたいと思いますので今回はザックリここまでです。



ブロック塀をつくりたいときに単純に業者さんにお願いすればいいだけだと思っている場合には、ちょっとリスキーな場合があります。

もちろんそれだけでトラブルなく立派なものをつくってもらえて当たり前のはずなのですが、中にはそうでない場合もあります。

例えば、住宅の外構のみを扱う業者さんの中には施工はできるけど必要な諸手続き、確認作業などが苦手な業者さんがいます。

そういった業者さんの場合には、価格は安いけど隣地の確認、埋設物の有無の調査といった細かい配慮が期待できない(無い)場合があります。

そもそも説明すらしてくれない業者さんの方が多いかも・・。

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なので必ず見積など作業内容にそれらが含まれているか確認しましょう。

もちろん廉価なうえでそれらの対応も含めれていればベストだと思います。



隣地境界線にブロック塀を設置する際にいくつかパターンがあるのをご存知ですか?

図を使って説明したいと思います。

塀の中心を隣地境界線にする場合

イメージ的にはこんな感じで塀の真ん中で自分の敷地と隣の敷地の境界を分ける方法です。
T型基礎断面_1

この場合に確認しておくべきことは2つ

・隣地の相手の同意を得られるか

・費用の負担をどうするか


この2点がポイントとなりますが、このパターンで設置する場合には費用の負担を隣地の方にお願いしてもいいケースです。

ただ実際には、ブロック塀などを設置したい側が費用を全額負担するので設置させてもらうという形になる場合も多いのが現実です。

相手の合意が得られればこのパターンが両者にとって意義があることが多いですが、相手の合意を得ないままこのパターンで設置すると無断で相手の土地に塀をつくったことになりますので高確率でトラブルになりますので注意が必要です。


塀の側面を隣地境界線にする場合

イメージ的には、向かって左側を自分の土地、右側を隣地(他人)の土地とする場合の設置パターンです。
T型基礎断面_2

この場合でも確認しておくべきポイントは主に1つです。

・隣地相手の同意を得られるか

費用の負担についてはほとんど自分が負担する前提となります。

施工の際には掘削や作業員の立ち入りが必要となりますので円満に同意を取り付けておく必要があります。

パターンとしては、こういったL型の基礎形状もありますが考え方は一緒です。
T型基礎断面_5


塀の基礎の側面を隣地境界線にする場合


T型基礎断面

この場合でも確認しておくべきポイントは上の内容と同じく主に1つです。

・隣地の相手の同意を得られるか

上と同じく施工の際の掘削や作業員の立ち入りが必要となりますので円満に同意を取り付けておく必要があります。

中にはこのパターンやL型で設置する場合に隣地の地権者にあいさつもしないでいきなり工事を始めるような業者さんもいますので注意が必要です。



ちょっと話が複雑でつまらない内容ですが、とっても重要なことなのでチェックしておくことをおすすめします。

またこの知識は、土地選びや不動産投資などの土地の売買交渉の材料にも応用できる内容になります。

前述した3つの「ブロック塀をつくる時に考慮すること」の話はすべてリンクする内容になっていることがポイントで、これを気の利かない業者さんにお任せするとトラブルの種になります。

また、こういった隣地境界のトラブルは一生尾を引きます。

ブロック塀などの外構工事は、家づくりをお願いしたハウスメーカーや工務店の一体工事として下請けで行う場合や家とは別に業者さんを選ぶ場合など様々です。

せっかく家の工事がうまくいっても外構工事でトラブルになっては残念なことになってしまいますので、施主自身も少し予習をしてから望むといいかもしれません。


ということで、隣地との境界にトラブルなくブロック塀などをつくるポイントと考え方について書いてみました。


では、よい家づくりを。



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