今年の夏は、例年になく特に猛暑のような気がします。
毎日のように熱中症によって緊急搬送されたニュースや場合によっては亡くなってしまうニュースを見かける状況ですね。

なかでも、子供の熱中症があとを絶たない。
そんなこんなで、ニュースなどで教室にエアコンが無い学校が多いということを知りました。
そこで、なぜなのか、全ての施設にエアコンを設置するといくらかかるのか調べてみました。

ちなみに厚労省はこんな案内をしています。
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実は、全国の公立の幼稚園、小中学校などのエアコンの導入状況は、文部科学省が毎年調査を行っています。
それが「公立学校施設の空調設備設置状況調査」というものです。
調査の詳細はこちら→文部科学省HP

そこで出ている結果を利用して、全ての施設にエアコンを導入したらいくらかかるのかを算出しました。
それが、こちらです。
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5,447億円!!
高いのか、安いのかはわかりません。
費用の推計は、前提として、各室2台設置することにしていますので、1台ならは、半分の2,700億円くらい。

あくまで推計なので、冷涼な地域では必要ないでしょうし、2台では足りないかもしれません。
エアコン自体の性能も地域差や教室などの大きさや構造によって違うかもしれません。

そのあたりは、推計ということで悪しからず・・・


ところで、この5,447億円という金額が高いのかどうか。
あるいは、他の政策的な経費より優先されるものなのかどうか。
なぜ、未設置が多いのか。
このあたりが、導入率に大きく作用しているのでしょうか?


当然、界隈で炎上ネタになっている「精神論」みたいなものがエアコンの導入率に影響していることも承知しています。特に決定権をもっている管理職世代に多いこということですし・・・
でも、これについては、意見が一方向でないことなので、個人的な意見は控えます。


さて、この5,447億円という金額について、他に使われている政策的な予算などのうち何%くらい必要か算出してみました。例えば
・・国家予算(一般会計)の合計は、約98兆円。なので、そのうち約0.55%
・公的年金受給者の年金総額は、平成27年度末現在で54兆6千億円なので、その約1%
・防衛費の5.2兆円なので、その約10%
・平成28年の「未来への投資を実現する経済対策」の国の財政支出が6.2兆円なので、その約8.7%
  

こうやってみるとなんとかならないこともないような気もしてしまいます。
毎年多くの命が奪われている「熱中症対策」は、もはや災害対策に並ぶ対策として、エアコンの設置にもっと経費をかけるのもありなのでは?


冒頭の厚労省の案内は、エアコンや扇風機がある前提で案内しています。
扇風機やエアコンの無い学校などがたくさんあるわけで・・・
このあたりの矛盾もこのエアコンの話に多少なりとも影響している気がします。


みなさんは、どう感じましたでしょうか・・・。